スパイスボックスは印刷時のカラーキャリブレーションにも注力しており、色合わせの必要性から、Adobe RGB/sRGB両対応のEIZO ColorEdgeシリーズのモニターを利用しています。パンフレットやポスター、チラシ広告などの商業印刷に合わせた色変換サービスも行っています。
詳しいサイトが沢山ありますので簡単に説明します。「RGB」と「CMYK」の大きな違いは、「赤(Red)+緑(Green)+青(Blue)」の光を混ぜると「白」になり、「シアン(C)+マゼンタ(M)+イエロー(Y)+ブラック(KまたはBK)のインクを混ぜると「黒」になるということです。
RGBは『加色(光の)三原色』と呼ばれ、テレビやディスプレイなど発光させて表示する方式です。赤と緑が重なるとイエローに、緑と青が重なるとシアンに、青と赤が重なるとマゼンタになり、赤青緑が重なると白になります。これを「加法混色」と言います。
CMYKは『減色(色の)三原色』と呼ばれるプリンターや印刷の色表現方式です。シアン、マゼンタ、イエローを混色して黒を表現します。これにブラックを加えて理想的な黒に近づけています。黄色い絵の具に赤色を混ぜるとオレンジ、そこに青色を混ぜると茶色になるのと同じイメージですね。CMYK100%=黒の状態から各色を任意に減量して色を作り出すので「減法混色」と言います。
「RGB」と「CMYK」のもうひとつの違いは、表現できる色領域(色数)が異なることです。CMYKでは、RGBの表現できる一部の色を再現できません。すべての光の色をインクでは再現できないのです。デジカメの写真もディスプレイでは繊細な色まで表示できますが、プリントや印刷で利用するためのCMYKモードに変換すると、CMYKの色域以外のRGB色域の色は、CMYKが表現可能な最も近い色に置き換わり、結果としては彩度が落ちたり色味が変わってしまいます。
なお、ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/色空間)で詳しく知ることができます。また、レーザー露光方式(銀塩写真・デジタルプリント)については別の機会に。
住宅専門誌やパンフレット・チラシ印刷で利用する写真の「RGB」から「CMYK」への色変換では、ドットゲインによる調整なども必要です。Photoshopなどのソフトでもインキの色特性、色分解オプション、墨版生成の設定値、ソースカラーの設定、変換後のプロファイル設定、ファイルのICCプロファイル設定など、印刷環境に合わせたキメ細かな設定が必須になります。
本来、製版のプロフェッショナルである製版会社の熟練スタッフの方々が、良好な印刷結果を想定した設定値でこのプロセスを行ってきました。現在ではPhotoshopなどのソフトで安易にできてしまう結果、「ソフトのお任せ変換=色が悪い」というトラブルも発生したりします。
RGBには、代表的なカラースペースプロファイルである「最も一般的なディスプレイの色域の〜sRGB」と「sRGBに比べて色域が広くインクの色域を含む〜AdobeRGB」があります。AdobeRGBは印刷への適合性が高く、色補正などの加工を前提とした撮影で用いられています。
sRGBのみに対応している一般的なモニターではAdobeRGBの色空間を表現することはできませんので、確認にはAdobeRGBが表示可能な業務向けモニター、厳密にはキャリブレーションで同期された環境が必要となります。AdobeRGBが表示可能なモニターをお持ちの方には、プロファイル設定などを利用して近似色で確認して頂くことは可能です。
「確認できた近似色」も印刷物への反映では、各種の仕様(紙種やインク)に左右されるため、すべて意図した色を反映させた印刷結果を得るということは困難です。
本来、「全く色が違う!?」というのトラブルを避けるために「色校正」というプロセスがあり、刷り上がる紙とインクで印刷仕上がりに近い結果を確認することができます。しかし、最近ではコストと手間を省略する傾向から、手持ちのカラーレーザープリンタのみの簡易校正が主流です。「ソフトにお任せで色変換」して「カラーキャリブレーション」しないで「色校正は切り詰める」ことが、仕上がり品質を下げてしまう主な理由です。
この様に、色の扱いには課題が多いのですが、色を丁寧に扱うことと傾向推定することにより、トラブルを最低限にすることができるのです。
上記での説明の通り、デジタルカメラで撮影した写真データは、画面表示などに最適化されたカラーモードの「RGB」形式で、モニターやインクジェットプリンターなどで印刷される場合は、このカラーモードのままで大きなトラブルはありませんが、商業印刷においては、印刷用のカラーモード「CMYK」形式への変換が前提※となります。※Microsoft OfficeなどはRGBモードのカラー配色が前提のため省略しています。
モニターがカラーキャリブレーションされている場合に限り、Photoshopなど画像編集ソフトでカラーモードを変換して色調整することも可能ですが、色について詳しくない方が完璧にこなせるようなことではありません。CMYKの色領域は、RGB色領域よりも表現可能な領域が狭く、RGBで表示されて(しまって)いる高彩度の領域色は、印刷時にはCMYKの領域にある最も近い色に置き換えられてしまい、一般的にはくすんでしまったような印象になります。
スパイスボックスでは、CMYK変換するために必要となる専門知識に沿って、RGB画像を良質なCMYK画像に変換してご提供しています。色調バランス調整やスポットカラー補正の画像処理も行っていますので、ご希望の際にはお問い合せください。
※カラーキャリブレーションについては、個々の状況により説明困難な場合が多く、ここでは割愛させていただきます。
東京・千葉・埼玉・神奈川・多摩地区の建築撮影をいたします。建築写真にかぎらず、様々なイメージ写真など、柔軟な撮影のご要望にお応えします。